書籍名 | 日本型フレキシビリティの構造 |
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副題 | 企業社会と高密度労働システム |
著者 |
十名直喜著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 208頁 |
発行年月 | 1993年4月 |
定価 | 2,860円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-01725-3 |
本の説明 |
「日本型フレキシビリティ」概念とその理論的枠組みを中心に論及したT部、日本型企業社会の構造と特質、その変革課題に迫ったU部、著者の21年間の企業体験をベースにした補論の7章構成により、日本型企業の全体像を浮きぼりにする。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
序―本書のねらいと背景― 1 バック・グラウンド/課題と方法/構成と概要/ねらいとポイント T 日本型フレキシビリティ論 1章 日本型フレキシビリティ論の基本的視角 ―日本型フレキシビリティの構造と機能― はじめに 1 現代資本主義と「フレキシビリティ」論 1 「日本型フレキシビリティ」とは何か 2 「フレキシビリティ」概念とポスト・フォーディズム論 2 日本型フレキシブルウェアの構造 1 日本型フレキシビリティのハードウェア 2 日本型フレキシビリティのソフトウェア 3 日本型フレキシブルウェアを支える企業内システム 4 日本型フレキシブルウェアの機能 3 日本型フレキシビリティの社会的メカニズム ―社会的なバックアップ・システム― 1 基本的視点 2 企業間の水平的連携 3 企業間の垂直的連携 4 政府と産業界の連携 5 日本型フレキシビリティの社会的機能 おわりに―日本型フレキシビリズムの未来に向けて― 2章 日本型フレキシビリティとME革命 はじめに 1 日本型生産システムの先駆的側面とME技術 1 ME技術のもつ技術的特性 2 日本型生産システムの先駆性とME革命 2 日本型生産システムの特殊的側面とフレキシビリティ 1 日本型生産システムにみる曖昧性の構造 2 日本型インフォーマル性の構造 3 情報化とフレキシビリティ 1 日本型生産システムの普遍化と情報技術 2 日本型過当競争と情報化・国際化 おわりに 3章 資源・エネルギー問題の日本型構造と世界史的位相 はじめに 1 現代における資源観および資源概念 1 資源観・資源概念の根本的転換 2 基本的資源の「永続可能性」をめぐって 2 資源の開発・利用にみる浪費的・収奪的構造 1 更新不能な鉱物資源への過度依存の構造 2 資源浪費を促す社会的・経済的要因 3 資源・エネルギー問題の日本型構造 1 海外資源の開発・輸入における日本型方式と「フレキシビリティ」 2 日本型企業社会にみる資源浪費の構造 おわりに―今日における資源・エネルギー問題の世界史的位相と日本の役割 U 日本型企業社会論 4章 日本型企業社会の構造 ―日本型「前近代性」と「フレキシビリティ」の構造 はじめに 1 日本型企業社会にみる「前近代性」の構造 ―渡辺治『「豊かな社会」日本の構造』の検討をふまえて― 1 現代日本社会の分析における「前近代性」論の評価 2 日本型「前近代性」をとらえる視点 ―非公式性(「インフォーマル性」)と非評価性 3 「資本主義的原理の過剰貫徹」と「前近代性」の同時的・重層的共存 4 「自発的に忠誠をつくす構造」と「前近代性」論 ―「全人格的献身競争」のメカニズムとは何か― 5 日本型システムの特殊性とその変革視点 2 日本型企業社会における「フレキシビリティ」の構造 1 ポスト・フォーディズム論と「フレキシビリティ」 2 日本型インフォーマル性の評価と到達点 3 「日本型フレキシビリティ」論の現代的視角 おわりに 5章 日本型ヒューマン・ウェアの内と外 ―島田晴雄『ヒューマンウェアの経済学』へのコメントを通して はじめに 1 『ヒューマンウェアの経済学』の紹介 2 工場の内側と外側のギャップ論 1 「工場」イメージにみる「内側」・「外側」の境界線 2 「工場の内側」における情報の「共有」と「秘匿」 3 「ヒューマンウェア技術」にみる普遍性と特殊性の重層的結合 1 「小ロット生産」にみる労働の高密度性 2 物流の社会的制約と「ジャスト・イン・タイム」方式 3 「人的役割」をめぐる光と影の構造 4 日本的生産システムの重層的構造 4 「異質社会」論をめぐる評価の視点 1 「異質社会」とは何か 2 「日本型ヒュウマンウェア技術」の本質 おわりに 6章 変革を迫られる日本型企業社会 はじめに 1 日本型企業社会の仕組みと組織風土の特徴 1 「日本的経営」・「企業社会」論をめぐる系譜と今日的様相 2 企業内システムの仕組みと組織風土の特徴 3 企業間システムおよび地域・国家との関係 2 日本型企業社会にみる負の構造と弊害の顕在化 1 企業内にみる負の構造とその顕在化 2 社会的な負の構造とその拡散 3 国際摩擦と日本異質論の拡大 おわりに 補論 企業社会に生きる「二足のわらじ」論―生きがいと自立の創造― 1 「二足のわらじ」論にみる“怨念”と“ロマン”の相克 1 日本のサラリーマンにみる深い疎外感と“怨念” 2 「二足のわらじ」論にみる生きがいと社会的障壁 3 “怨念”から「ロマン」への昇華論 2 わがサラリーマン生活と鉄鋼産業研究 “働きつつ学ぶ”思想と哲学/鉄鋼現場から経済学研究への契機/ 処女論文(大工業論)執筆の動機と経緯/鉄鋼資源論から技術論、労働論へ/ 心身の不調と研究の停滞/京大大学院への社会人入学/ 研究スタイルの再構築/鉄鋼産業研究の集大成に向けて/ “働きつつ学ぶ”活動の秘訣と展望 3 企業体験から企業社会研究への昇華 1 本書誕生の足掛かり 2 “働きつつ学ぶ”研究活動の醍醐味とフィナーレ あとがき 索引 |